ニュースやSNSなどで、誰かの行動に対して
「そんな姑息な手段を使うなんて…」
という表現を見かけたことはありませんか?
この「姑息(こそく)」という言葉、実は多くの人が誤った意味で使っている日本語のひとつなんです。
「姑息」の誤解されている意味
現代では「ずるい」「卑怯な」「こすっからい」といったネガティブな意味で使われることが多い「姑息」ですが、本来の意味はまったく違います。
本来の「姑息」の意味とは?
「姑息」の語源は、中国語の「一時しのぎ(姑=しばらく、息=やすむ)」に由来しています。
つまり、「姑息」とは本来、「一時しのぎ」や「その場しのぎ」という意味なのです。
決して「卑怯」「ズルい」という意味ではありません。
使用例(本来の意味)
- この対策は姑息なものにすぎない。根本的な改革が必要だ。
- 姑息な処置では、問題の解決にはならない。
使用例(誤用されがちな意味)
- あの人は姑息な人間だ(←「卑怯な人間だ」の意味で使用されがち)
- 姑息な手で相手を出し抜いた(←この使い方も本来は誤り)
なぜ「姑息=卑怯」と誤解されるようになったのか?
原因のひとつは、「姑息な手段」→「一時しのぎの策」→「ズルいやり方」という連想です。
ネガティブな文脈で使われることが多かったため、いつの間にか「ずるい手」という印象が定着してしまったと考えられます。
また、ドラマや小説などでも「姑息なやり方だ!」というセリフが多く登場し、イメージが固定化されてしまったのも大きな要因でしょう。
ビジネスや日常会話で使うときの注意点
「姑息」という言葉を正しい意味で使ったつもりでも、聞き手が誤解して「卑怯だ」と受け取ってしまう可能性があります。
そのため、場面によっては「一時しのぎ」「場当たり的」といった言い換えを使うのも一つの手です。
まとめ:「姑息」は悪口ではない
- 本来の意味:一時的な、その場しのぎの対処
- 誤解されている意味:卑怯・ずるい
- 誤用が広まっているため、使い方には注意が必要
言葉の意味は時代とともに変化することもありますが、本来の意味を知っておくと、言葉の選び方に深みが出てきます。
ぜひ、今日から「姑息」を正しく使ってみてくださいね。