「やってみたいけど、なんとなく二の足を踏んでしまう…」そんなふうに、行動を起こす前にちょっと立ち止まってしまうことって、誰にでもありますよね。でも、ここでふと疑問。「二の足」って、何のこと?どうして“二”なの?
今回は、この不思議な表現について、やさしく解説していきます。
◆「二の足を踏む」ってどういう意味?
この言葉は、何かをしようとしたときに「ためらってしまう」「踏み切れない」「決断が鈍る」といった心理状態を表す言い回しです。
たとえば、「転職を考えているけど、なかなか二の足を踏んでしまって…」といった具合に、あと一歩が出ない場面で使われます。
◆“二の足”とは、実は動作のこと
この表現の由来は、歩くときの足の動きにあるといわれています。
「一の足」は、最初に踏み出した足。つまり、最初の一歩を指します。そして「二の足」とは、続けて踏み出す“次の一歩”のこと。最初の一歩は勢いで踏み出せても、その次の一歩で躊躇して止まってしまう…そんな様子を表しているのです。
つまり、「二の足を踏む」とは、「いったん動きかけたものの、ためらってしまって前に進めない状態」を比喩的に表した言葉なんですね。
◆武道や舞などにもルーツがある?
一説には、古くからある武道や舞の所作にも関係があると言われています。武士が敵と対峙する際、一歩目は攻め込む構えでも、二歩目は慎重に動きを見極める必要があったとか。
また、舞踊などでも、最初の動きに続ける第二の足をどう出すかによって、全体の流れや印象が変わるともいわれています。
いずれにせよ、“一歩踏み出す”ということは、昔から大きな決意が必要とされていたようですね。
◆似た意味の言葉は?
「迷う」「ためらう」「躊躇する」といった言葉も、似たようなシーンで使われますが、「二の足を踏む」は身体的なイメージを含んでいるのが特徴です。
実際に足が止まるような感覚を表現しているので、話し言葉の中でも感情が伝わりやすい表現だといえるでしょう。
◆まとめ:次の一歩を踏み出す勇気を
「二の足を踏む」という言葉には、ただの迷いではなく、最初の一歩を超えたその先にある“心のブレーキ”が込められています。
もし、あなたが何かを始めようとして、ちょっと足が止まってしまっているなら。それは無理をしていない証かもしれません。でも、次の一歩を踏み出した先には、思いがけない出会いや成長が待っているかもしれませんね。
言葉の由来を知ることで、自分の心の動きにも、少しだけ優しくなれる気がします。