sassatimes

「馬が合う」はなぜ“馬”?仲良し表現の語源を探る

「あの人とはなんだか馬が合うんだよね」——そんなふうに、気が合う相手との関係を表すときに使われるこの言葉。一見して動物の馬と関係がありそうですが、実際にはどこから来た表現なのでしょうか?

今回は、日常でもよく耳にするこの言い回しの意味や語源について、やさしくご紹介していきます。

◆「馬が合う」の意味って?

この言葉は、「気が合う」「性格や価値観が合う」「相性がいい」といった意味で使われます。初対面でも自然に話せたり、何も言わずとも通じ合えたりするような、そんな相手に使われることが多いですね。

恋人同士や親友に限らず、職場の同僚や趣味仲間に対しても使われ、広く“フィーリングの良さ”を表現する便利なフレーズです。

◆なぜ“馬”?気になる語源は…

「馬が合う」という表現のルーツには、実は「乗馬」が関係しています。人が馬に乗るとき、その馬との相性によって乗りやすさがまったく変わることがあるのです。

自分に合った馬ならスムーズに動き、指示にも従ってくれますが、合わない馬だとすぐに反抗したり、思うように走ってくれなかったりします。こうした経験から、「馬と人の相性=気が合うかどうか」という発想が生まれ、それが人間同士の関係にたとえとして使われるようになったと考えられています。

◆江戸時代のことば?

この言い回しが一般に広まったのは、江戸時代以降といわれています。当時は馬が移動手段としても重要な存在だったため、「馬との相性」という感覚が多くの人にとって実感しやすかったのでしょう。

今のように車や電車が当たり前ではなかった時代、人と馬の付き合いは日常的で、そこから生まれた言葉が現代に残っているのは興味深いですね。

◆似た表現もある?

この言葉と近いニュアンスを持つものとしては、「ウマが合う」の他にも「気が合う」「話が弾む」「波長が合う」などがあります。

いずれも、相手との心地よい関係性を表現するものですが、「馬が合う」にはどこか親しみや温かみを感じさせる柔らかさがあります。

◆まとめ:動物と人の関係が語源だった

「馬が合う」という言葉には、ただのたとえ以上に、人と動物とのリアルな関わりが背景にありました。現代では馬と接する機会は少ないかもしれませんが、だからこそこの言葉に込められた歴史や背景を知ると、日々の会話が少しだけ豊かになるかもしれません。

誰かと「馬が合うなあ」と感じたとき、昔の人が馬と心を通わせていたような感覚を思い出してみるのも、楽しいものですね。