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「鯖を読む」ってなぜ魚?意外な商習慣が背景にあった

年齢や人数を少なめに伝えるときに、「ちょっと鯖を読んじゃった」なんて表現、聞いたことがあるかもしれません。でも、なぜ魚の“サバ”がそんな意味で使われるのでしょう?今回は、このユニークな言い回しに隠された背景や由来を、やさしくひも解いてみましょう。

◆「鯖を読む」の意味って?

この言葉は、数字をごまかすことを指すときによく使われます。たとえば、自分の年齢を実際より若く言ったり、人数や金額を都合のいいように少なく言ったりする場面などです。

少し誤魔化しが入っているけれど、深刻な嘘というよりも、軽いジョークや会話のなかで使われることが多いですよね。

◆なぜ“鯖”が使われるようになったの?

実はこの表現、江戸時代の魚市場の商習慣に由来していると言われています。当時、サバはとても足が早く(傷みやすく)、水揚げされてからすぐに売りさばかないといけない魚でした。

そのため、魚屋さんたちはスピード重視でサバの数を数えたり、値を決めたりしていたのです。正確に一匹ずつ数える時間がなかったので、だいたいの数をざっと見積もって売ることもあったそう。それが「数をごまかす=鯖を読む」という言い回しになったと考えられています。

◆他にもある?魚にまつわる言葉

ちなみに、魚に関係する表現って他にもたくさんあります。「うなぎのぼり」や「鯛の尾よりイワシの頭」など、日常生活で魚が身近だった日本ならではの言葉の宝庫です。

どれも昔の暮らしや価値観がにじんでいて、知るとちょっと面白いですよね。

◆現代ではどんなふうに使われている?

「鯖を読む」は今でもよく使われる言葉ですが、その意味合いはややカジュアルで、ユーモアを交えた場面に登場します。たとえば、「ダイエットして2キロ減った…って言いたいけど、ちょっと鯖読んでるかも」など、軽い冗談として使われるのが一般的です。

あまりに大げさなごまかしはNGですが、相手との関係性や場の雰囲気によっては、親しみを込めた表現として受け入れられています。

◆まとめ:言葉の背景を知ると、日常がちょっと楽しくなる

「鯖を読む」という言い回しも、その背景を知るとなんだか親しみがわいてきますよね。日常的に使っている言葉の由来を探ってみると、昔の人々の知恵や暮らしが見えてくることもあります。

次にこの表現を使うときには、ほんの少しだけその由来を思い出して、会話の話題にしてみても楽しいかもしれません。