世界には、科学で説明しきれない不思議な自然現象がいくつも存在します。中でもアメリカ・カリフォルニア州にある「デスバレー国立公園」には、まるで意思を持っているかのように“自分で動く石”が存在していると話題になってきました。
砂漠にポツンと置かれた石が、誰にも触られていないのに動いた形跡を残している──そんな摩訶不思議な現象が、長年人々の興味を引きつけてやみません。
「レーストラック・プラヤ」で見られる現象
この現象が確認されているのは、デスバレーの中でも「レーストラック・プラヤ」と呼ばれる乾いた湖の跡地。ここには広大な平地が広がっており、固く乾燥した地面の上に大小さまざまな石が点在しています。
そして不思議なことに、いくつかの石の背後には、何メートルにもわたる“軌跡”が残っているのです。しかも、その軌跡は曲がったり分かれたりしていて、「明らかに動いている」としか思えない形をしています。
誰も見たことがなかった“動く瞬間”
この不思議な石は長年「誰かが動かしているのでは?」「超常現象では?」とさまざまな説が飛び交いました。しかし決定的な目撃例はなく、写真や映像で捉えられた例もありませんでした。
なぜなら、石が動くのは年に数回あるかどうかの非常にまれなタイミングで、しかもその時間もごく短いため、観察するのは困難だったのです。

ついに謎が解明された?
そんな中、2014年、研究チームがついに“動く石”の瞬間を捉えることに成功しました。その結果、意外なメカニズムが明らかになったのです。
冬の寒い夜、薄い氷が地面に張り、昼間の太陽で少しずつ溶け始めると、石の下にごく薄い水の層ができます。その上に風が吹くと、石はごくゆっくりと、しかし確実に滑るようにして移動するのだそうです。
この現象は、氷、水、気温、風といういくつもの条件がぴったり合ったときにだけ発生する、まさに自然が織りなす奇跡のようなものだったのです。
自然のチカラに思いを馳せて
かつてはオカルトや超常現象のように語られていた“動く石”も、今では科学的な説明がついています。でも、それが明らかになった今でも、自然の驚異を感じさせてくれることに変わりはありません。
デスバレーの広大な地に刻まれる、石の静かな足跡。それは、私たちがまだまだ知らない自然の奥深さをそっと教えてくれているのかもしれませんね。
まとめ
- アメリカ・デスバレーでは石が“自分で動く”ような現象が見られる
- 乾いた湖跡「レーストラック・プラヤ」で軌跡が確認されている
- 氷、水、風などの条件が重なることで石が滑るように動く
- 自然の不思議を感じられる魅力的な現象
科学で説明できても、自然の美しさや不思議さには、まだまだ驚かされることばかりですね。