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「さようなら」は本来“別れの挨拶”じゃなかった!?

私たちが日常的に使う「さようなら」。
学校の帰り際や仕事終わり、ふとした別れの場面で自然に出てくる言葉ですよね。

でも実は、この「さようなら」、もともとは単なる“別れの挨拶”ではなかったって知っていましたか?
今回はその語源と本来の意味をやさしくご紹介します。

◆「さようなら」の語源は意外と丁寧な言い回しから

「さようなら」は、「左様ならば(さようならば)」という表現が短くなった言葉です。

「左様(さよう)」は「そのように」「そうであるならば」という意味を持つ言葉。
つまり「左様ならば、これで失礼いたします」というような、丁寧な会話の流れの中で使われていた表現だったのです。

今で言うと、「そういうことであれば、これにて…」というニュアンスに近いかもしれません。

◆もともとは別れそのものの言葉ではなかった

元の意味を見てみると、「さようなら」は単純に「さよなら=バイバイ」という意味ではなかったことがわかります。

もとは会話の締めくくりのような使われ方で、「この話はここで終わりにしましょう」というニュアンスの方が近かったようです。

それが時代を経て、「別れの場面」で用いられるようになり、今では完全に“さよなら=別れの言葉”として定着しています。

◆明治時代以降に一般化

「さようなら」が広く使われるようになったのは、明治時代以降だと言われています。

それまでは「さらば」「御機嫌よう」など、さまざまな別れの表現が使われていましたが、教育現場や公的な場面で「さようなら」が使われるようになり、徐々に一般的な挨拶になっていきました。

◆他の言い方との違いもおもしろい

「さようなら」と似たような場面で使う言葉に「じゃあね」「バイバイ」「またね」などがありますが、どれもカジュアルな印象ですよね。

一方で「さようなら」は、どこかフォーマルで少し寂しげな響きを持っていると感じる人も多いのではないでしょうか。

言葉のもつニュアンスの違いを感じ取ると、日々の挨拶もまた奥深く感じられます。

◆まとめ:「さようなら」に込められた思いやり

「さようなら」は単なる別れの言葉ではなく、「そうであるならば、これで失礼します」という丁寧な思いやりの言葉から生まれました。

言葉の成り立ちや意味を知ると、何気なく使っていた挨拶にも、より深い意味を感じられますね。

次に誰かに「さようなら」と言うときは、少しだけ丁寧な気持ちを込めて使ってみてはいかがでしょうか。