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「あけおめ」はいつから使われ始めた?略語の文化を探る

新年になると、友人や家族との会話やメッセージで飛び交う「あけおめ!」。すっかり定番の挨拶となったこの言葉ですが、よく考えると「明けましておめでとうございます」の略というのは分かっても、いつからこうした言い方が一般的になったのでしょう?今回は、この略語が広まった背景や、日本語における略語文化について探ってみます。

◆「あけおめ」のはじまりはいつ頃?

「あけおめ」という表現が広く使われるようになったのは、実はそれほど昔のことではありません。1980年代から1990年代にかけて、若者言葉として使われはじめたとされています。当時の流行文化やメディア、特にテレビ番組や雑誌などでの影響もあり、一気に若者を中心に定着していきました。

最初は少しふざけたニュアンスを含む言葉と受け止められることも多かったようですが、時代とともに柔らかいカジュアルな年始の挨拶として認知されるようになっていったのです。

◆略語文化はなぜ生まれるのか?

日本語における略語の歴史は意外と深く、古くから「手間を省いて伝える」文化が根づいています。特に若者文化の中では、スピーディーなやりとりや仲間意識を強めるために、新しい略語が次々と生まれています。

たとえば、「ありがとう」を「あり」「あざす」と略したり、「おつかれさま」が「おつ」となったり。こうした省略表現には、親しみやすさや軽快さが込められています。「あけおめ」も、まさにそうした流れの中で自然に登場した一つだといえます。

◆「ことよろ」とセットで使われる理由

「あけおめ」といえば、続けて「ことよろ(ことしもよろしく)」というフレーズが思い浮かぶ方も多いでしょう。このセットもまた、略語文化の一部で、親しい相手との軽いやり取りの中でよく使われます。

とはいえ、かしこまった場面や目上の方とのやり取りでは避けたほうが無難です。あくまでくだけた雰囲気で使うものとして、TPOを意識して使い分けることが大切です。

◆SNSやメール文化の影響も大きい

2000年代以降は、メールやSNSの普及によって、略語はさらに進化を遂げました。文字数の制限や、入力の手軽さを重視する文化が広まる中で、「あけおめ」「ことよろ」のような短い言葉が便利に感じられるようになったのです。

LINEやTwitterで新年のあいさつを送るときに、短くテンポよく送れる言葉として、今でも多くの人に使われています。

◆まとめ:略語には時代の空気が映っている

「あけおめ」は、ただ短くしただけの言葉ではなく、時代ごとの人々の感覚や価値観が反映された文化表現のひとつです。

かつては若者言葉として扱われていた「あけおめ」も、今では日常の中にすっかり馴染んでいます。言葉は生き物のように変化していくもの。略語の中にも、私たちの暮らしやコミュニケーションの工夫が詰まっているのかもしれませんね。