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「一目置く」の“目”って何?尊敬の意味と由来を解説

「彼には一目置いているんだよね」といったフレーズ、どこかで耳にしたことがあるかもしれません。けれど、普段よく使うこの言葉、実はちょっと不思議な表現ですよね。「一目」とは何を指し、「置く」とはどういう意味なのでしょうか?今回はこの言葉の背景にある意味や由来について、やさしく解説していきます。

◆「一目置く」とはどんな場面で使う?

この表現は、相手に対して自分よりも優れていると感じたり、尊敬や敬意の気持ちを抱いたときに使います。たとえば、仕事で抜群の成果を出している同僚や、センスの光るクリエイターなどに対して、「あの人には一目置いている」というように使われます。

決して「自分が劣っている」と卑下する意味ではなく、素直に相手を評価する前向きな言葉です。

◆言葉のルーツは囲碁の世界にあった

この表現の由来は、なんと囲碁にあると言われています。囲碁では、実力に差がある者同士が対局する際、ハンディキャップとして「置き石」を使います。実力の低い方が先に石を置いて対局するため、強い側は「一目(いちもく)」を置かれる立場になるのです。

つまり、「一目置く」というのは「自分より相手のほうが上だから、先に打たせる(敬意を払う)」という考え方からきているのです。囲碁の礼儀が、現代の表現としても使われているなんて、ちょっと驚きですね。

◆使い方の具体例

  • 「彼の発想力には一目置いている」
  • 「あのデザイナーは若いけれど、業界でも一目置かれる存在だ」
  • 「長年の経験がある人には、自然と一目置いてしまうよね」

このように、相手の能力や人格を尊重する場面で自然に使われます。ビジネスだけでなく、日常会話でも違和感なく使える表現です。

◆「一目」は“いちもく”?“ひとめ”?

ちなみに読み方は「いちもくおく」が正解です。「ひとめ」と読んでしまいがちですが、もともとの囲碁用語にちなんでいるため、「いちもく」と読むのが正しいとされています。

◆まとめ:敬意を込めた表現として大切に使いたい

「一目置く」という言葉には、相手への敬意と素直な尊敬の気持ちが込められています。ちょっとした表現にも、こうした意味が隠れていると知ると、普段の言葉づかいにも深みが出てきますよね。

これから誰かを褒めるとき、ただ「すごいね」と言うのではなく、「君には一目置いてるよ」と伝えてみてはいかがでしょうか?その一言が、相手の心にもきっと届くはずです。